前回はようやく走り出したところでマフラーが折れるという悲しい現実を味わった「ヤンゾスター」ですが、実はそんな予感もしていて(初期に溶接した部分なので、へたくそすぎるため。)、替えのマフラーをアリババで購入してあったんですよ。
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フレキシブルマフラー
フレキシブルマフラーというやつで、排気管を自在に曲げられます。
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キットのデフォルトのマフラーだと、短くて下に向かって排気するのが何とも言えなかったし、フレーム等を避けるのが困難だったので、これのが良いかなと。
帰ってきた作業台
それと、こないだフレームとエンジンの重さに耐えきれず折れた作業台も直しました。
一応治りました。ちょっと歪んでますけど、ボンドでガチガチにしたので前より頑丈なはず。精度は求められないけど、ちょっとした作業用の台としてあると便利だし。
ジャックシャフト
そして、今回ほぼ作り直しとなる事になるんですけど、その理由が、「ジャックシャフト」の装着です。
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これ、早くから知ってれば良かったんですけど、なかなかエンジンが始動出来なかった時に、アメリカの掲示板でたまたま見つけました。
自転車エンジンキットでは、エンジンの動力をフロントスプロケットから直接リヤスプロケットに繋ぎますが、ジャックシャフトで動力を右側に移して、ワンウェイクラッチ付のチェーンリングに渡します。
キットのチェーンリングは2重になっていて、エンジンからのチェーンと、自転車のチェーンがかかっています。
これにより、自転車のシフトチェンジが使えるようになるわけです。そうすれば坂も登りやすくなるのではないでしょうか。
とは言え、やっぱりポン付けできない
アメリカンチャリの宿命なのは今までの作業で思い知っていましたが、ジャックシャフトもマウンテンバイクやビーチクルーザーに最適化されていますので、加工しないと付きません。
車体以前にエンジンとも合いません。穴を広げたり、当たる部分をカットしていきます。
一か所が付いても、別の部分が当たったり。ここはボルトが当たってしまいますね。
もう何が正解だかわからないですけど、とにかく装着できるまで現物合わせで加工していきます。
ついにはジャックシャフト内のパーツの寸法すら合っていないことが判明。ギヤの回り止めが溝の幅に全然合わない。
仕方がないので、無理やり削って溝に入るようにしました。
どうにか付けられました。
シングルスピードを3速化
これが今回やりたかったメインイベント。シングルスピードのチャリを多段化して、エンジン走行時も坂道を登りやすく、またゼロ発進出来るようにするのが目標です。そのためにジャックシャフト化が必須だったんです。
まず、ホイールに取り付けたリヤスプロケットを外して、自転車側のシングルフリーホイールを3速フリーホイールに交換します。
これ日本ではとうの昔に絶滅したパーツみたいで、国内だとほぼ売っていませんでした。昔、まだギヤチェンジできる自転車が普及していなかった頃に、後付けでギヤチェンジ可能にするパーツのようです。
アリババだと普通に安く(500円くらい)売っていたので4つほどまとめ買いしました。
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ほぼ売っていないというのは、実はアマゾンでは一応買えます。買えるのですが、結局中国からの発送品で時間もかかるし価格も高めです。なのでアリババで買っても時間は変わらないし、送料含めても価格は安いです。
アリババの場合、たまに税関抜けられず届かなかったりするので何とも言えませんが。
自転車エンジンキットのデフォルトのリヤスプロケット。短い付き合いだったけど、ご苦労さん。ギリギリチェーンラインのせいで、若干タイヤにチェーン痕が…。
スポークを挟み込んで装着するんですけど、なんかスポークへの負担が凄そう。アメリカの掲示板では、スポークが破壊されるというコメントもちらほらありました。
次に反対側のシングルフリーホイールを外して3速フリーホイールを装着します。
元々付いていたシングルフリーホイールはかなり固着していて、破壊しないと外せませんでした。というか、このタイプのフリーホイールは原則破壊して外すみたいですけど。
破壊して引っ掛かり部分を叩いたりしても硬くて1時間くらいかかりました。
3速フリーホイールは問題なく付きました。
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ボトムブラケット交換
今度はフロント側にジャックシャフト用のチェーンリングを装着しようと思ったんですけど、どうもクランクシャフトの長さが合いません。
仕方ないのでシャフトを交換しようとしましたが、これ外すのに専用の工具が必要なんですね。
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何かで工夫して外すことも考えましたが、そもそも固着しているし、反対側は手持ちの工具で外せたんですけど、ベアリングもバラバラになっていたので、無理に外そうとしても壊しそう。
なので、1ヵ所外すためだけに専用工具を買いました…(T_T)
専用工具スゲー。いとも簡単に外せました。
ジャックシャフトキットの中に替えのクランクシャフトが入っていたんですけど、当然サイズが合いません。ファットタイヤのアメリカンタイプなのでシャフトがやたらと長いんですよ。
ベアリングも死亡していて再利用できないし。なので、この際新しいボトムブラケットを買おうと思います。
ひとまず採寸。
フレーム側は120mm。
シャフトの全長は167mmです。
調べてみると、どうやらファットバイク用のボトムブラケットが合いそうです。今付いている167mmで足りなかったので、177mmの物にしました。
そして、やはり国内だと見つからず、アリババで発注。2000円くらいです。
アマゾンでは167mmはありましたけど、177mmは見つかりませんでした。高いし。
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せっかく外したのでブラケット内を洗浄します。サビと劣化したグリスでデロデロですねー。
元々付いていたのは、カップ&コーン型というのか、左右にベアリングが付いていてそこにクランクシャフトが通っているものでした。
今回購入したのはカートリッジ式です。ていうか、これしか無かった。ちゃんと付けば何でも良いんですけど、カートリッジ式の方が簡単そうです。
右側は工具セットに入っていたフレアタイプの工具で締められました。あの専用工具はもう二度と使うことはないでしょう。
バッチリ付きました。やっぱ新品はパリッとしてますね。中古の自転車は、ボトムブラケットを交換してから乗った方が良いんでしょうね本当は。
ボトムブラケットが着いたので、いよいよクランクとチェーンリングを着けてみます。
良い感じです。左右5mmずつ長くなったので、右側はぴったりですけど、左側はちょっと余ります。
エンジンマウント作り直し
ジャックシャフトを装着するにあたりチェーンが右側に移るので、今度はエンジンを右側にオフセットしなければなりません。
これも、マウンテンバイクやビーチクルーザーだったら真ん中のままで良いんですけど、ファットタイヤなので、チェーンラインが出ません。
しかも今回は微妙に右寄りなので、フレームに留めているボルトの位置とパイプの位置が干渉して難しかったです。
リヤディレイラー装着
外装ギヤチェンジさせるためにはディレイラーを着けないといけないんですけど、シマノの6速用が一番安かったのでコレにしました。
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自分でフレームに穴開けて着けるので正爪でも逆爪でも良いんですけど、何となく逆爪の方が着けやすかったので逆爪にしました。
シフトノブを作製
ギヤチェンジするのに、ベスパみたいなグリップタイプと迷いましたが、やっぱりレトロなインディアンとか陸王みたいなハンドシフトにすることにします。
22φのパイプと鉄板を溶接して…。
シマノのレボシフトのグリップ部分の段差をプラスチック用のパテで埋めます。今回は3速なので、敢えて左用のシフターです。本当は21段変速とかのフロント側のギヤチェンジをするやつなんですが、ちょうど3段なんで。
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モノタロウで買ったなんかよく判らないレバーとU型クランプを溶接します。U型クランプは内径43φ×全長68mmのやつ。
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これらを合体して、アメリカンチャリのタンク部分にブラインドナットを仕込んでボルト留め。パイプエンドは危険なのでハンドル用のエンドキャップをはめときました。
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シフトチェンジテスト
シフトチェンジのテストをしてみます。
一応シフトチェンジ出来ます。チェーンをもう少し長くした方がいいかも。
ジャックシャフトテスト
ジャックシャフトの動きをテストしてみます。
この時点では、これが正解か判らずやっています。本来はエンジンからのチェーンが真下に行くはずなんですけど、クランクがエンジンより前方なのでそのままだとチェーンがエンジンに干渉してしまいます。
そのためエンジンからのチェーンをエンジンを避ける経路でチェーンリングまで通さないといけないのですが、なかなか難しいです。
次回はその他の部分の改造をしていきます。
「モペッドを自作する話_その5」への1件の返信
[…] 前回に続き、新生「ヤンゾスター」の改造をしていきます。 […]